ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.2 ( BLP 1504 : The Amazing Bud Powell l, Vol. 2)

The Amazing Bud Powell l, Vol.2 ( BLP 1504 )

ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.2、 BLP 1504 - The Amazing Bud Powell l, Vol.2

邦題『ジ・アメイジング・バド・パウエル VOL.2』は、1956年にブルーノートからリリースされた、バド・パウエルのアルバム。
録音は1949年〜1953年。

1956年発売の「Vol.2」は再編集盤

このアルバムは先に10インチでリリースされた「Voil.2」(BLP 5041)に、数曲追加された再編集盤である。

1949年録音

11、”You Go to My Head”
12、”Ornithology”

1951年録音

4、”It Could Happen to You”
9、”Over the Rainbow”

それ以外の曲は、すべて1953年のセッションで、1954年にリリースの「Voil.2」(BLP 5041)に収録されていた。

1954年録音

2、”Autumn in New York”
1、”Reets and I”
5、”Sure Thing”
8、”Collard Greens and Black-Eyed Peas”
6、”Polka Dots and Moonbeams”
3、”I Want to Be Happy”
10、”Audrey”
7、”Glass Enclosure”

トリオやソロで、パウエルのピアノが堪能できる!

「Vol.1」では半分近くがファッツ・ナバロとのセッションで、パウエルのピアノだけを楽しみたい人には、やや残念なところがあった。
「Vol.2」は、10曲がピアノトリオ、2曲がピアノソロで、存分にパウエルのピアノが堪能できる。

特に、9局目の”Over the Rainbow”は、とてつもない演奏だ。
ピアノソロなだけに自由自在で「何をやっているのかわからないが、とにかくスゴい」と、驚くしかない。

個人的には「Autumn in New York」の演奏が大好きだ。
荘厳な雰囲気のなかに、哀愁とロマンティックさがあり、心地良く味わい深い演奏だ。

様々なバージョンが存在するので、買うときには注意が必要

このアルバムは、リリースごとに曲が追加・変更・並び替えされている。

オリジナルは1954年発売の10インチLP。
1956年にLP発売時に、4曲を追加。
1989年のCD発売時に、「Vol.1」「Vol.2」をまとめてセッションの時系列に曲の並び替え、一部収録曲の差し替え。
2001年のRVGエディションでは、リマスタリングによる音量の修正、1951年のセッションの全ての追加と、複数の別テイクの追加。さらに曲順の変更。
2016年の日本盤では、3曲の未発表音源が追加と、1〜8曲目までが、1954年発売の10インチLP「Vol.2」(BLP 5041)の曲順になっている。

以前は、こだわりが強い日本のジャズマニアのために、CDは日本盤と海外版では曲順が違っていた。
また、上記以外にも様々なバージョンが存在する。

曲順の変更では、以下のものが存在する。
・「Vol.1」と「Vol.2」をまとめてセッション順に並び替えたもの
・「Vol.1」と「Vol.2」のオリジナルテイクをセッション順に並べ、その後ろにアウトテイクを並べたもの
・「Vol.1」「Vol.2」のそれぞれに、オリジナルアルバムの曲とアウトテイクを収録したもの

買うときは、「Vol.1」「Vol.2」それぞれ、同じバージョン(型番が並びのもの)を買うことをすすめる。
でないと「アウトテイクが少ない」というレベルではなく、
「曲がない」「曲がダブっている」
というような、悲惨なことになりかねない。

トラックリスト

1956年発売のLP

1.”Reets and I”
2.”Autumn in New York”
3.”I Want to Be Happy”
4.”It Could Happen to You”
5.”Sure Thing”
6.”Polka Dots and Moonbeams”
7.”Glass Enclosure”
8.”Collard Greens and Black-Eyed Peas”
9.”Over the Rainbow”
10.”Audrey”
11.”You Go to My Head”
12.”Ornithology”

1989年発売の海外盤CD

CD発売時に、セッションの時系列に曲を並び替えてある。
「Vol.1」「Vol.2」をまとめて時系列に並べかえているので、この「Vol.2」にはオリジナルの「Vol.1」の曲も収録されている。

1.”Bouncing with Bud” (alternate take #1)
2.”Bouncing with Bud” (alternate take #2)
3.”Bouncing with Bud”
4.”Wail” (alternate take)
5.”Wail”
6.”Dance of the Infidels” (alternate take)
7.”Dance of the Infidels”
8.”52nd Street Theme”
9.”You Go to My Head”
10.”Ornithology”
11.”Ornithology” (alternate take)
12.”Un Poco Loco” (alternate take #1)
13.”Un Poco Loco” (alternate take #2)
14.”Un Poco Loco”
15.”Over the Rainbow”

2001年発売の海外盤RVGエディション

RVGとは、ブルーノートの名盤の多くのレコーディングを担当した伝説的なエンジニア、ルディ・ヴァン・ゲルダー氏のこと。
RVGエディションは、ゲルダー氏がリマスターをおこなったシリーズの呼称である。

海外版のRVGエディションも「Vol.1」「Vol.2」をまとめて曲順を並べ替えている。
セッション順の並び順、かつアウトテイクは後ろに、という几帳面な並びになっている。

1.”Bouncing with Bud”
2.”Wail”
3.”Dance of the Infidels”
4.”52nd Street Theme”
5.”You Go to My Head”
6.”Ornithology”
7.”Bouncing with Bud” (Alternate take #1)
8.”Bouncing with Bud” (Alternate take #2)
9.”Wail” (Alternate take)
10.”Dance of the Infidels” (Alternate take)
11.”Ornithology” (Alternate take)
12.”Un Poco Loco”
13.”Over the Rainbow”
14.”A Night in Tunisia”
15.”It Could Happen to You”
16.”Parisian Thoroughfare”
17.”Un Poco Loco” (Alternate take #1)
18.”Un Poco Loco” (Alternate take #2)
19.”A Night in Tunisia” (Alternate take)
20.”It Could Happen to You” (Alternate take)

2016年発売の「コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.2」

現在、日本で発売されているCDの曲順。
3曲の未発表音源が追加され、曲順が変更されている。
1〜8曲目までが、1954年発売の10インチLP「Vol.2」(BLP 5041)の曲順になっている。

01.ニューヨークの秋 (MONO)
02.リーツ・アンド・アイ (MONO)
03.シュア・シング (MONO)
04.カラード・グリーン・アンド・ブラック・アイ・ピーズ (MONO)
05.ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス (MONO)
06.アイ・ウォント・トゥ・ビー・ハッピー (MONO)
07.オードリー (MONO)
08.グラス・エンクロージャー (MONO)
09.アイヴ・ガット・ユー・アンダー・マイ・スキン (MONO) (PREVIOUSLY UNISSUED) (Bonus tracks)
10.ニューヨークの秋 (別テイク1) (MONO) (PREVIOUSLY UNISSUED) (Bonus tracks)
11.ニューヨークの秋 (別テイク2) (MONO) (PREVIOUSLY UNISSUED) (Bonus tracks)
12.リーツ・アンド・アイ (別テイク1) (MONO) (Bonus tracks)
13.リーツ・アンド・アイ (別テイク2) (MONO) (PREVIOUSLY UNISSUED) (Bonus tracks)
14.シュア・シング (別テイク) (MONO) (PREVIOUSLY UNISSUED) (Bonus tracks)
15.カラード・グリーン・アンド・ブラック・アイ・ピーズ (別テイク) (MONO) (Bonus tracks)

参考文献

21世紀版ブルーノート・ブック 史上最強のジャズ・レーベルのすべて (ジャズ批評ブックス) [ ジャズ批評編集部 ]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください