カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1 ( BLP 1507: At the Cafe Bohemia, Vol. 1)

At the Cafe Bohemia, Vol. 1 ( BLP 1507 )

カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1 BLP 1507: At the Cafe Bohemia, Vol. 1

邦題『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ VOL.1』は、1956年にブルーノートからリリースされた、ジャズ・メッセンジャーズのアルバム。
録音は1955年11月23日。

ジャズ・メッセンジャーズとは

ジャズ・メッセンジャーズは、ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーが結成したバンド。

以前からブレイキーのバンドは「メッセンジャーズ」と名乗っていたが、ホレス・シルバーの進言で頭に「ジャズ」と付けたという。
このアルバムはその「ジャズ・メッセンジャーズ」(JM)のデビューアルバムである。

しかし、その後、シルバーとブレイキーとの間に諍いが起こり「JM」は分裂することになる。
よって、このアルバムは「JM」のオリジナルメンバー唯一のアルバムとなる。

カフェ・ボヘミアとは

カフォ・ボヘミアは、ニューヨークのグリニッジ・ビレッジにある有名なジャズのナイト・クラブ。
以前は普通のカフェ・テリアだったが、1955年の春にジャズ・クラブに転進した。
録音の11月にはすでにジャズクラブとしての地位を確立して有名になっていた。

このアルバムはそのカフォ・ボヘミアでのライブを録音したものである。
録音は1955年11月23日。

未発表曲について

2001年のリマスター時に「Vol.1」「Vol.2」それぞれに未発表曲が追加された。
この未発表曲は以前、日本盤LPで発売されていた「At the Cafe Bohemia, Vol. 3」と同じ曲である。

「カフォ・ボヘミア」はライブ録音であるが、ひとつのセットをそのまま収録しているわけではない。
曲順は「Vol.1」「Vol.2」それぞれに、並び替えて収録されている。

「Vol.1」の曲は、

1st セット
・4. Minor’s Holiday
・8. What’s New
・9. Deciphering The Message / The Theme

2nd セット
・2. Soft Winds
・5. Alone Together

3rd セット
・6. Prince Albert

4th セット
・3. The Theme
・7. Lady Bird

となっている。

録音の記録では23日に録音されたのは20数曲ほどで、いまだ発表されていない曲は2〜3曲程度のようである。

緊張と緩和のバランスが絶妙

百戦錬磨の名ドラマー、アート・ブレイキーが率いる「ジャズ・メッセンジャーズ」(JM)のライブ録音。
後の「分家」JMのリーダーであるホレス・シルバーとブレイキーが、若手のハンク・モブレーを導きながらも焚き付けてライブを盛り上げている。
ケニー・ドーハムの安定した演奏も聴き応えがある。

2. Soft Winds
12分と当時のアルバムとしてはかなり長尺な曲。各パートのソロがあるアルバムのハイライト曲。
ハンク・モブレーのかなり長いソロはまったりと味わい深いが、途中からダレないようブレイキーとシルバーが突き上げてテンションをアゲているのが微笑ましい。 ケニー・ドーハムのソロは安定していて3人のスリリングな掛け合いが楽しめる。

3. The Theme
ドーハムの切れ味するどいソロが素晴らしい。

5. Alone Together
モブレーのバラード。
モダンジャズでは往々にして、バラードよりアップテンポの曲がもてはやされ、手数の多いソロが評価されるが、この演奏は素晴らしい。

8. What’s New?
全編、名ベーシストのダグ・ワトキンスのソロ。
1962年に27歳の若さで自動車事故で亡くなったが、彼は350以上ものアルバム録音を残している。
特にドナルド・バード(Fuego「フュエゴ」)、ケニー・バレル、リー・モーガン(Candy「キャンディ」)、ソニー・ロリンズ(Saxophone Colossus「サキソフォン・コロッサス」)などの名盤で有名である。
ある意味、アルバムの重要曲である。

LP発売時の基本情報

アルバム名:At the Cafe Bohemia, Vol. 1
日本盤アルバム名:カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1
型番:BLP 1507
レーベル名:Blue Note Records(ブルーノート・レコード)
発売年:1956年
録音年:1955年11月
録音場所:ニューヨーク市カフォ・ボヘミア(ライブ録音)

トラックリスト

2001年のリマスターCD

1956年発売のLPのトラックリストは1〜6まで。
2001年のリマスターで7〜8が追加された。
現在の日本盤CDのも、このトラックリストと同じである。

1. Announcement by Art Blakey
2. Soft Winds
3. The Theme
4. Minor’s Holiday
5. Alone Together
6. Prince Albert
7. Lady Bird” (reissue bonus track)
8. What’s New?” (reissue bonus track)
9. Deciphering the Message” (reissue bonus track)

参考文献

21世紀版ブルーノート・ブック 史上最強のジャズ・レーベルのすべて (ジャズ批評ブックス) [ ジャズ批評編集部 ]

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